薪の含水率の計り方は2種類あるので、注意したい。
林業の世界で使われている基準で JIS規格で決まっているのが、DB(ドライベース)。
薪ストーブユーザーが薪の含水率を計る時に使われる簡易水分計は WB(ウェットベース)。
DB(ドライベース)とWB(ウェットベース)の違い
下記の計算式により、
同一の薪で、同じ水分量でも、
乾量基準含水率(ドライベース:DB)の方が
湿量基準含水率(ウェットベース:WB)よりも大きい数値となる。
引用: 薪ストーブは燃えているか
DB(ドライベース)は林業の世界で使われている基準で JIS規格で決まっている。
しかし、薪ストーブユーザーが薪の含水率を計る時に使われる簡易水分計は、
WB(ウェットベース)を採用している。
また、WB(ウェットベース)は木質燃料のバイオマスの分野でも使われている。
当サイトでも薪ストーブにまつわる話をしているので、
含水率はWB(ウェットベース)で話を進めていくことにします。
WB(湿量基準含水率)ではその値が100%を超えることはあり得ません。
もし、「含水率が200%ぐらいある・・」とか話に出てきたら、
それはDB(乾量基準含水率)での話だと理解してよいでしょう。
含水率ごとの重量(杉とナラ)
前節の計算式をもとに、
日頃使われている代表的な薪(杉とナラ)の、
含水率ごとの重量を算定しました。
よく軽トラ1台分でいくら?
とか
1棚でいくら?
とか知りたい場面があると思います。
そんな時にお役立てください。
薪を測る簡易水分計で表示される数字は、
WB:湿量基準含水率です。
例えば、20%と出たら、
杉薪を軽トラ1台分で、237kg。
ナラ薪の1棚は、1549kg というように
読みます。
DB:乾量基準含水率
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33%
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25%
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20%
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18%
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15%
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WB:湿量基準含水率
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25%
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20%
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17%
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15%
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13%
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杉(比重0.38):1㎥の重量
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507kg
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475kg
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457kg
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447kg
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437kg
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杉:軽トラ1台分の重量
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253kg
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237kg
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228kg
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223kg
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218kg
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杉:1棚分の重量
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924kg
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866kg
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833kg
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815kg
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796kg
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ナラ(比重0.68):1㎥の重量
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907kg
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850kg
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819kg
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800kg
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782kg
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ナラ:軽トラ1台分の重量
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452kg
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424kg
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408kg
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399kg
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390kg
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ナラ:1棚分の重量
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1653kg
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1549kg
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1493kg
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1458kg
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1425kg
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=長さ1.9×幅1.4×高さ0.3×0.625
=0.49875㎥
※1棚の薪の実容積=1棚の容積×空隙率
=1.8×1.8×0.9×0.625
=1.8225㎥
平衡含水率とは
木材は、最終的には外部空気の温湿度状態と釣り合って安定する。
これが、平衡含水率。
日本における平衡含水率は一般に屋外で15%といわれている。
人工乾燥でない天然乾燥の場合、
含水率は15%(DBドライベース)を下回ることは無い。
だから、いくら長期間乾燥させたとしても、
簡易水分計では13%(WBウエットベース)より少ない値を出すことは無いだろう。
表面じゃなくて割って内部の値だよ。
まとめ
まぎらわしい含水率の世界ですね。
でも、薪ストーブの燃焼で気をつけなくては、
煙突と薪の乾燥ですから、しっかり押さえておきたいね。
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