薪を購入したり取引をする場合、
また、1シーズンでどれくらいの薪を消費するのかということを知るうえで、
薪の容積を測る単位は知っておきたいですね。
束の薪
薪の燃料店で購入する場合などの小口取引では、
束(たば)という単位が使われてきました。
針金の輪のなかに、長さを揃えた薪を詰め込んで円筒状にしたもので、
今でも、ホームセンターやキャンプ場などで1束何円とかで売っているあれです。
2019年11月10日 コメリにて撮影 長さ45センチのナラ薪が1束508円(税込み)で販売されていた。重量は約8キロ。
棚の薪
小口の販売単位の「束」に対して、大量の薪を取引する時の単位には「棚(たな)」が使われます。
棚の定義は地方や時代によって違いはあるが、概ね100立方尺(1尺は30.3cm)を1棚としていることが多いようだ。
たとえば、奥行き2尺、高さ5尺、幅10尺だと100立方尺となる。
広辞苑では、奥行き3尺、高さ6尺、幅6尺(108立方尺)を1棚と定義している。
1坪(畳2枚)の面積に90センチの高さで積んだボリュームが1棚のイメージである。
この1棚の材積はいくらになるのだろうか?
薪の積み具合にもよるが、昔からの慣例として、
「拳のはいらない程度の隙間」を薪積みの条件として、
統計上この隙間のことを「空隙率(くうげつりつ)」と言い
この値は37.5%としている。
隙間がある見かけの容積を「層積」といい、
これに対して、薪のみの材積を「実積」といいます。
空隙率を使うことで、1棚の材積を求めることができる。
1棚の「層積」=1.8×1.8×0.9=2.91 m3
1棚の「実積」=2.91×(1-空隙率)=2.91×0.625=1.81m3
1棚積んだ薪の木の部分の容積は1.81立米ということになります。
原木の測り方
林業の世界では、木材の取引単位は、立方メートルです。
丸太一本いくらというのではなく、
立米(りゅうべい)あたりいくらという売り方をします。
測り方の略算方法は(長さが6m未満の場合)
1)末口(小さい方の径)の最小径をはかる
2)長さをはかる
3)最小径の2乗×長さ=材積
径を測る場合は樹皮を除きます。
半径をrとすると
最小径の2乗というのは、末口の直径(2r)の2乗のこと。
円の面積(末口の断面積)は πr2ですから
略算方法は 4r2 となります。
4という係数は3.14より大きくなるのは当然ですが、
元口の大きさを加味して
統計的に導き出した
丸太の平均的な断面積の係数といってよいでしょうね。
丸太の直径の大きさによって種類分けされます。
・小丸太(直径14cm未満)
・中丸太(直径14cm以上30cm未満)
・大丸太(直径30cm以上)
14cmまでは1cm刻みで測りますが、14㎝以上は2cm刻みで測ります。
また、長さの単位も200㎜刻みとします。
ただし、3400㎜の次は3650㎜、
次は3800㎜となります。
これは尺貫法の名残です。
試しに、末口22センチ3メートルの材積を求めてみると、
0.22×0.22×3.0=0.145(少数4位以下切り捨て)となります。
まとめ
薪ストーブを本格的に使うようになると、
大量の薪を取引するようになるので、
薪の測り方や取引単位については、
知っておいて損は無いでしょう。
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