薪ストーブには外国製や日本製など数多くの機種があります。
メンテナンスの仕方は機種により細かいところはちがいますが、
ここでは薪ストーブの基本的で共通のメンテナンスについての説明をします。
シーズン中の日常のメンテナンス
シーズン中毎日薪を焚き始める前に、やっておきたいことがあります。
ドアガラスの清掃
低温で焚いている時にガラス面に煤とタールが付きやすい。
高温になれば自然と取れたりするが、
頑固にこびりついているのなら、
せっかくの炎を見る楽しみの妨げになるので、
取り除いたほうがよいだろう。
布と専用のガラスクリーナーを使って拭き取る。
研磨剤の入ったものはガラスの破損につながるので使わないほうが無難だ。
灰受け皿の清掃
炉床の灰は灰受け皿へと落ちて溜まっていくので、
満杯にならないうちに取り除いておこう。
そのためにも最低一日一回は灰のたまり具合を点検しておきたい。
炉床の灰は翌日の着火準備の時に、
すべて落としてしまうのではなくて、
1~2センチくらい残してその上に薪を置いていくのが良い。
というのは、灰は断熱効果があり、
炉床を保護し、
高温が続くと鋳鉄部材が変形したりするのを防ぐため。
そして熾火効果を長時間持続させてくれる。
灰受け皿の灰は、
ブリキ製で二重底仕様の蓋付きバケツに入れて、
念の為、2日間火の気のないところに保管してから、
処分するようにしたい。
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灰の有効利用として、お手軽なのは庭木や畑の肥料として使うこと。
木の灰にはミネラルなどの無機質が含まれ、
酸性の土壌をアルカリ性にするのに役立つ。
同様の役割をさせるのに、
よく石灰を用いることがあるが、
石灰を多用すると土がカサカサになってしまうらしい。
その点、薪を燃やした灰は土にも優しい。
自然からもらったものを再び自然に帰して植物を育てるという、
環境を思いやるリサイクルにもつながる。
ジャガイモやイチゴ類はアルカリ性の土壌を好まないので、
必要以上に与えないほうが良いが、
それ以外ならほとんどの花や野菜に灰は良い肥料となってくれるのだ。
しかし、東日本大震災の放射能の影響があった地域においては、
灰は薪に含まれた放射能を凝縮されたものとして、
取り扱いが非常に厳しくなっているので、
くれぐれも処分方法については各自治体の指示に従うように。
オフシーズン年に一度のメンテナンス
冬の間、一生懸命に我が家を暖めてくれた薪ストーブに
感謝をこめてお手入れをしてあげよう。
薪ストーブは、残念ながら寿命があります。
でも、メンテナンス次第で何十年も使い続けることができます。
煙突の点検と掃除
煙突掃除をするタイミングのおすすめは、
シーズン終了後。
なぜならば、もし何かしら不具合があった場合に、
修理を販売店に頼むにしても、
時間的余裕があると納得のいく修理をしてもらいやすいからだ。
何も不具合がなかった場合でも、
シーズン前にもう一度、
トップに鳥が巣作りしていないかだけはチェックしておこう。
シーズン終了後に、すみやかに網やカバーをつけるのも防鳥対策に効果的ではある。
オフシーズンの煙突掃除は当然のこととわかっている人は多いが、
できればシーズン中も1回煙突掃除をすると、
劇的に燃え方が改善されると、ノルウェーの作家はいっている。
そのわけは、煤の断熱性にあるという。
きわめて重要なわりによく見すごされているのが、ストーブと煙突の内部表面の煤掃除である。薪焚きシーズンに少なくとも一回は掃除した方がよい。煤には断熱効果があり、厚みわずか3ミリの煤が10パーセントもの熱を奪う。熱が鉄に伝われず、煙突に吸い上げられていくからだ。鉄製ブラシと灰用掃除機で30分も作業すれば、熱効率は劇的に改善する。
引用元:薪を焚く
薪ストーブの炉内の掃除点検
シーズンが終了したら、
すみやかに炉内の灰は取り除いておこう。
というのは灰は湿気を吸収しやすい為、
夏場に湿気を含んだ灰の近くから錆びやすくなってしまうからだ。
鋳鉄も簡単に錆びます。
炉内の灰は取り除いたついでに、
燃費向上のため、
煤やタールなどもワイヤーブラシで取り除いておこう。
薪ストーブのガスケットの点検、交換
ガスケット(ファイバーロープ)は、
気密性を保ち正常な燃焼をさせるために重要な部材である。
紙などを挟んで、
抵抗なく引き抜けるようだとガスケットに問題ありといえるし、
外観が摩耗、ひび割れ、毛羽立ちがあるようだと、
交換する必要がある。
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薪ストーブの可動部の調整
気密性に影響するので、
ドアや掛け金、レバー類などの可動部分を
清掃し増し締めなどの調整をする。
薪ストーブのダンパー類の点検
ダンパーのネジ類はサビなどで固着されているので、
潤滑剤を吹き付けて取り外し、
清掃・調整したあと再固定する。
薪ストーブの外装と塗装
サビや塗装の剥がれがあれば補修しておく。
塗装は耐熱塗料スプレーを使うこと。
3~5年に一度のメンテナンス
薪ストーブ販売店によるストーブ本体と煙突の
フルメンテナンスをしておきたい。
素人では気づきにくい専門家の目線でチェックしてもらえば
安心して来季も使うことができる。
頻度については取扱説明書を参考にしてもらいたい。
薪ストーブの部品交換
ガスケットや
触媒方式の場合は触媒が
消耗品として部品交換が必要になる。
時期は使い方次第なので交換時期は一概には言えないが、
状態を確認して、
ガスケットならヘタリ具合で、
触媒は格子の壊れ具合によって、
交換を判断する。
サイズとか型番があるので、
初回は薪ストーブを設置してくれた販売店に問い合わせをし、
取り寄せして自分で据え付けてもいいです。
これくらいの難易度ならプロに頼まなくてもできるはず。
次からはネットで購入したほうが安上がりだろう。
やり方についてはユーチューブで検索すると十分なくらい出てくるよ。
まとめ
薪ストーブは残念ながらメンテナンスフリーではありません。
手間暇はかかりますが、
高価な薪ストーブを長持ちさせるため、
適正なメンテナンスをして大事に使っていきましょう。
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